中学校で薬物乱用防止啓発授業

12月16日、昨年に引き続き岡崎中学校3年生対象に、薬物乱用防止啓発授業をさせていただきました。

まずは登校時のあいさつ運動です。京の社明くんと一緒に「大麻・薬物 絶対あきまへん!」の啓発と共に「あいさつ運動」を行いました。

 

時間的には30分ですが、「おはよう」のあいさつに「おはようございます」「うわぁ、なんか居てる」「可愛い」・・・手を振りながら生徒たちは元気に登校していました。

お昼ごはんのあと、5時間目3年生の授業は「薬物乱用防止啓発授業」です。同時刻2年生は「救急救命講習」の授業を4教室で分散して行われていました。

さて、啓発授業の前半は、保護司でもある薬剤師の藤田先生が、専門的な薬の全般の話から3つの質問へ。そのあと薬物乱用の話になり、友人との体験談を交え「良い薬」が間違った使用方法で「薬物」となってしまう恐ろしさを、パワーポイントを使って解りやすく講義。

続いては、昨年好評だったシミュレーション劇です。前回は「先輩から誘われたとき」「オーディション関係者から誘われたとき」「友達から誘われたとき」と3つのケースで「断り方」を考えるだけでしたが、今回は「断り方」+「アドバイス」と2方向でのシミュレーションにしました。
「全員を巻き込む授業」「全員で考える授業」としたいので、今回も先生方に配役をお願いしています。出演してくれる生徒以外は知らないので、先生が登場すると笑いの渦が起こりますが、一瞬で静まり返り、劇に見入ってくれる姿は真剣そのものです。

CASE 1

Aさんは試験前の学校帰りにB先輩と会い、疲れが取れて勉強も捗るサプリを誘われる…そこに通りかかったC先輩からも誘われ、二人の先輩から誘われてしまう。さてどうする?
(女子生徒、学年主任先生と中林保護司)

 

CASE 2

友達同士で勉強中。ちょっと休憩に、インターネットで買った勉強が捗るサプリを、友達だから一緒に試そうと誘われる…
ただ断るだけではなく、友達にどうアドバイスできるか?
(女子生徒と数学科先生)

 

CASE 3
幼馴染みの二人は、SNS上で、アイドルグループのファンサイトで不特定多数の人たちと繋がっています。衝撃の結末が待っていました…

大掛かりなシチュエーションです。体育館には66名の生徒と先生方・保護司・外部からの見学者を含めて約90人。全員がアイドルグループ「OJH66」のインターネット上のファンサイトで繋がっています。
 
女子学生が女友達だと思ってやりとりをしていた相手は、女性になりすましていた薬物の売人(男)でした。
言葉巧みに、個人情報を聞き出し、荷物を送ろうとします。
男子学生は、そのやりとりを見て怪しいと気付き、危ないとアドバイスをしますが、楽観的な女子学生は個人情報を送り、その結果、荷物が届いてしまいます…
その頃、売人は薬物犯罪特命課の刑事によって逮捕されます。数日後、女子学生のもとにまで捜査が及び、任意同行されるストーリー。
(男子生徒と久保保護司、堀内保護司、堀口保護司)

 人との繋がりは大切です。ツイッターやインスタグラム、SNSのダイレクトメッセージを使えば、繋がりはどんどん増えるので便利なツールです。しかし、誤った使い方をすると、いろいろな犯罪に巻き込まれるかもしれない、と言うことを理解して欲しかったので、体育館全体を仮想空間としました。

 時間に少々余裕があったので、見ている生徒にいきなりの「あなたならどうしますか?」とマイクを差し出し、そのあとはマイクリレーです。いろいろな意見の中に「今日の劇を見て、迫られたら断りきれないかもしれない」と言う声も聞かれました。しかしそれは、劇を見ながら「自分なら…」と真剣に薬物のことを考えてくれたのだと思います。また先生方からは「その時その時の対応に答えがないので、伝えることの難しさを体感した」と言うお話もお聞きしました。
 
啓発パンフレットやパワーポイントでの講義では「イザその時」のイメージは湧きにくいと思います。いろいろなシチュエーションを体験することで、もしその場所に居たとしたら…「もし自分だったらどうする?」を考え、共有してもらえる50分になったと思います。

文責 川見善孝

写真 村上ますみ・佐伯知彦・伊藤恵子・久保優佳・川見善孝