令和7年度 施設参観と社会見学会

令和7年11月11日(火)、晩秋の好天に恵まれたこの日、「令和7年度施設参観と社会見学会」を実施しました。
参加者12名で、まずは神戸市西区にある「六甲バター株式会社・神戸工場」を見学しました。
「QBBチーズ」で知られる当社の最新鋭の工場として平成31年2月に完成、東京ドーム1個分の広さがあるとの説明を受けました。
家庭用・業務用など約300品目の製品を製造し、最新設備とITを導入して徹底した品質管理とオートメ―ション化を進めているとのこと、効率的な設備配置と極めて清潔な工場内を見学して、「健康で、明るく、楽しい食文化の提供によって社会に貢献する」という企業理念に基づく当社のこだわりを実感しました。
見学後にはチーズの試食会もあり、できたての温かくて柔らかい「QBBチーズ」の味は格別でした。帰り際には、お土産までいただきました。

昼食をはさんで午後から、兵庫県加古川市にある「播磨社会復帰促進センター」を訪問しました。
当センターは、平成19年4月にPFI手法と構造改革特区制度を活用した官民協働の刑務所として開庁、令和4年4月からは、公共サービス改革法を活用し、施設の運営業務の一部を民間に委託して運営している官民協働施設です。
JR加古川線・厄神駅から車で約10分の豊かな自然に囲まれた立地にあり、内部を見学したところ、一見して刑務所とは思えない清潔感と開放感のある施設でした。
刑務所としてのセキュリティ体制や緊張感ある刑務官の監視は万全であるものの、時おり民間業者の談笑が聞こえてくるなど、一般社会と変らない雰囲気も感じられ、官民協働施設の特色が現れていると思いました。
当センターは、一般収容施設と精神疾患・知的障害者などを対象とした特別ユニットとに分けられ、受刑者の資質や環境に応じて、受刑者本人の改善更生への意欲を喚起、社会生活に適応する能力の育成を図ることを目的とされており、一般収容者の電子部品の組み立て・調理・洗濯、特別ユニット収容者の農作業など、更生目的に応じた刑務作業を見学させていただきましたが、真剣な面持ちで従事する受刑者の方の姿が印象的でした。

一定の基準を満たせば、調理師免許やクリーニング師の資格取得(受験)も可能とのことで、速やかな社会復帰を念頭にした、充実した更生カリキュラムの一端を知ることができました。
また、特筆すべきことに、当センターの刑務官は受刑者の方を「さん」付けで呼ぶとのことで、呼び捨てが通例であった当時と比較して、刑務官・受刑者の間で柔和かつスムーズなコミュニケーションがとれるようになったと講師の方より説明があり、すでに学校などでは進んでいるものの、一般社会でもより広く採用すべき慣行ではないかと思いました。

なお、本稿の執筆者は、今年11月に辞令伝達を受けたばかりの新米保護司ですが、任命間もなくこのような貴重かつ有意義な体験をさせていただき、上野修会長はじめ、お声がけくださいました研修部会の先生方に心から感謝申し上げます。当日参加された諸先輩からも温かい叱咤激励のお言葉をいただき、励みとなりました。
今後ともご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。

文責:湯原 茂
写真:柴田敬子、上野 修