第72回 ”社会を明るくする運動” 修学院地区活動報告書

【 概 要 】第72回 “社会を明るくする運動” in 修学院中学校

中学校の昼食時の校内放送にて”社会を明るくする運動”を全生徒に知ってもらう。
これからの社会を担っていく中学生の皆さんに社明運動をしってもらい、
運動の一環である作文コンテストへの多くの参加を募りたい。

【 日 時 】 7月     8日(金)      12:40~12:55
7月11日(月)    12:40~12:55
【 内 容 】 保護司からの説明を放送部主体で進行していただく。
1日目:社会を明るくする運動と保護司活動について。
2日目:作文コンテストについて。(作文受賞者が自作文を朗読する)
【参加関係者】風間 随成  山中牧子    下垣内昭雄
【経 緯】
6月13日 :初回打合せ。子育て世代を対象としたミニ集会を実施してきたが
なかなか結果が出てきていない。中学生に直接話せることを検討してみ
てはどうか。修学院中学校に話をもていってみる。
6月14日:校長先生にアポイントをとり、翌日打合せの場を持つことが出来
た。
6月15日:修学院中学校にて打合せ。趣旨説明し校長先生の提案もあり、昼食
時の校内放送にて全校生徒に伝えることとした。
6月21日:当日の内容を打合せ。
6月23日:修学院中学校にて打合せ。当日の内容をもとに検討を行い、放送部
員主体の形で進めることとした。
7月 4日:修学院中学校にて打合せ。放送部員と当日の進行方法を確認した。
7月8日(金)、11日(月)  実施    ※ 詳細は別紙
7月12日 校長先生にお礼の電話。作文に関して下記の対応をされている。
①. 作文用原稿用紙を生徒に渡す。
②. 社会科担当の先生が取りまとめることにする。
③. 社明活動の概要を法務省ホームページより印刷して生徒に知らせる。

8月3日 反省会
【総 括】・修学院中学校の小泉校長先生の協力が大きかった。
校長先生からの提案もいただき、全校生徒へ伝えることが出来た。
・作文作成へ学校側が予想以上の取組体制をとって下さった。
・放送部の顧問先生と部員達の協力は大きな原動力となった。
・作文受賞者(青谷さん)が感情込めて朗読してくれたことは最高に良かった。
・来年も今回のような取組が出来るように、学校と話し合っていきたい。

【放送当日の進行内容】
1日目《7月8日(金)》

放送部      皆さん”社会を明るくする運動”をご存じですか。
これは、私達みんなが犯罪や非行の防止と立ち直りについて考え、
それぞれの立場で力をあわせて犯罪や非行のない地域社会を築こう
という法務省主唱の全国的な運動で、今年は第72回となります。
事件や犯罪は毎日のように起こっています。 取締りや厳しく罰する
ことは必要なことですが、重要なことは非行や犯罪を生み出さない家庭や
地域社会を作っていくことでしょう。
7月は”社会を明るくする運動”の強化月間です。
そこで、今日と来週月曜日の2回にわたってこの運動についてお送りします。
今日はこの運動に関わってられる保護司の方々に来ていただきました。
自己紹介をお願いします。

保護司・風間 自己紹介
保護司・下垣内 自己紹介
保護司・山中 自己紹介

放送部  それではいくつか質問させて頂きます。
まず、保護司とはどのようなものなのでしょうか。

保護司・風間  少年の非行や罪を犯した大人の立ち直りを、地域で支える民間の
ボランティアです。特に”社会を明るくする運動”は、犯罪や非行の
ない明るい社会を皆で考え、作っていこうという運動です。何が
できるか、一緒に考えてみよう。

放送部  保護司さんから私達中学生に伝えたいことは何でしょうか。

保護司・下垣内 集団で行動する時に自分の意図することなくその場の流れにのって
しまい、事件・犯罪に加担することになってしまうことに注意を。
(事例を交えて注意を促した。)

放送部  保護司さんからみて修学院中学校をどのように感じますか。

保護司・山中  全ての修学院中学生が認知症サポーターになっていることが素晴ら
しいです。地域のみなさんの安心につながります。

放送部   ありがとうございます。保護司さん達が、修学院地域が犯罪や非行の無い
住みよいところとなるよう、”社会を明るくする運動”に力をいれられてる
のがわかりました。
今日は保護司活動について放送しました。
次回はこの運動の一環である作文コンテストについて放送します。
ご期待下さい。ありがとうございました。

【放送当日の進行内容】
2日目《7月11日(月)》

放送部 今日は”社会を明るくする運動”の2回目、作文コンテストについて放送します。
これはどの様なものなのかを説明していただきます。

保護司・風間  作文コンテストは皆さんのように将来の日本を背負う中学生に、日常の
家庭や学校生活で体験したことをもとに、犯罪や非行について感じたこと
を作文にして皆で考え、社会を明るくしていこうとする運動の一つです。

放送部 それでは第70回作文コンテストで1年生の時に京都市教育長賞・左京区長賞を受
賞された我が修学院中学校3年生の青谷菜々さんに作品を朗読していただきます

受賞者 (受賞作品「幸せのバトン」を朗読。) 朗読後、全員で拍手

放送部   ありがとうございます。
青谷さん、作文を書くきっかけと、受賞の感想はどうでしたか。

受賞者   日本では世界に比べて犯罪発生率が低いけれども、再犯者が多いのはなぜか。
思いだけでなく、行動をすることが大事だと思いました。

放送部      青谷さんに続いて受賞者が出ることが期待されます。
1年生の皆さん、どんどん作文して下さい。
2回にわたり”社会を明るくする運動”について放送しました。
最後に保護司さんからひと言お願いいたします。

保護司・風間  皆さんの作文は、左京区から京都府推進委員会、全国推進委員会へと送ら
れていきます。これまで皆さんの先輩方が多く受賞されてます。
ぜひご参加下さい。

保護司・下垣内  社会を明るくする運動は皆さんの身近にあります。修学院中学校の皆さん
で住んでいる地域を明るくして下さい。 作文、待ってます。

保護司・山中      青谷さんの作文の内容にふれ、素晴らしい行動に感動しました。
みなさんの日々の行動が社会を明るくすることにつながります。

放送部                 ありがとうございました。これで二日間にわたっておおくりした
“社会を明るくする運動”放送を終わります。

地域幹事・文責:下垣内昭雄

第72回「社会を明るくする運動」 4地域合同ミニ集会のご案内…

令和4年 第72回「社会を明るくする運動」 4地域合同ミニ集会のご案内です…

今回私たちは「ジェンダー」にスポットをあて、4地域合同でミニ講演会を開催いたします。当日はZOOMを介して、宮崎県よりご講演いただきます。

日 時  令和4年7月29日(金) 受付 18:30〜
開 会  19:00〜20:30
場 所  元新洞小学校1階 第2会議室

講 師  寺町 晋哉(てらまちしんや)氏
(宮崎公立大学准教授)
演 題  「身近に存在するジェンダー」

第72回「社会を明るくする運動」 北白川地域ミニ集会のご案内…

令和4年 第72回「社会を明るくする運動」 北白川地域ミニ集会のご案内です…

7月1日は「更生保護の日」です。
そして「社会を明るくする運動」の強調月間に入りました。
北白川地域における「社会を明るくする運動」は、昨年新任保護司になられた澤田清人先生(北白川小学校出身、北白川住)にご講演をお願いしました。
先生は、昭和59年(1984)に京都市立洛東中学校に赴任されて以降、弥栄中学校教諭・教頭、花山中学校校長、向島中学校校長、二条中学校校長を歴任されました。各学校において多くの子どもたちと地域を見てこられた多くのご経験をお聞かせいただきたい、という趣旨で企画しました。

この機会に、少年育成活動に携わる皆様、PTAの皆様にはぜひご参加いただきたく、多数のご来場をお待ち申し上げております。
堀内寛昭

日 時  令和4年8月7日(日) 受付 14:00〜
開 会  14:30〜16:30
場 所  北白川小学校ふれあいサロン

講 師  澤田 清人(さわだきよと)氏
(京都産業大学教職課程教育センター職員・保護司)
演 題  「学校は社会の縮図」
〜 “しんどさ” を抱えながらも子どもたちは頑張っている〜

左京区保護司会「交流の日」開催!

日 時: 令和4年6月15日(日)10:00~16:00
場 所: 元新洞小学校 3階 サポートセンター
参加者: 鞍谷秀郎会長、村上ますみ、堀内寛昭、橋本周現、中井京子、
中林五月、鈴木美智子、山中牧子、大西繁雄、久保優佳、
佐藤恭子、隠塚功、川見善孝(敬称略)計13名

早いもので、現在のサポートセンターに引越しをして1年となります。

企画調整保護司の駐在はもちろん、施設見学会や勉強会、役員会や部会の場所として使ってはいますが、会長から「現状のサポセンは事務作業が優先されている。より多くの保護司が集まり自由に意見交換できる日を設定したい」とお話があり、今回初めての試みとして、「交流の日」を開催しました。

日程が決まったところで、時間自由参加なので動きが読めませんが、お昼はホットプレートで「たこ焼き」、それともデリバリーで「pizza」、はたまた色々持ち寄り?など勝手に考えておりました。

そして、どれだけの保護司が顔を出してくれるのか…

まだまだコロナ禍と言うことで、入室時の消毒や、セルフ検温、会話時のマスク着用など対策を講じつつ、朝10時。
サポセンに着くと、やはり事務作業があります。どうしても持ち帰りで出来ない作業がいろいろ…

そうこうしている内にひとり増えふたり増え、あっちでこんな話、こっちでこんな話と賑やかになってきました。
あっという間にお昼です…今回はデリバリーで「pizza」を頼みまして、ピザパーティー。 それからお茶菓子、コーラ、コーヒーにデザートやら賑やかに…

1日かけて、各地域の社明ミニ集会や、朝のあいさつキャンペーンの打ち合わせをしていると、時間が経つのも早いもので、賑やかな第1回「交流の日」終了となりました。

今後も、月1回のペースで開催の予定とのことです。
事前告知が必要にはなりますが、テーマを決めると勉強会、自主研修にもなっていくのかと思いました。

最後に写真がないのは、「当日賑やか過ぎで、それどころではなかった」と言い訳をさせていただきます。

文責: 川見善孝

京都市立洛北中学校 薬物乱用防止出前授業(ビデオ版)

令和4年3月2日(水)午後2時15分~3時5分
ビデオを使った薬物乱用防止出前授業を実施しました。

京都市立洛北中学3年生に対して、オンラインでの薬物乱用防止出前授業を計画しておりましたが、コロナ禍や、学校内の通信環境の問題を考慮し、非接触で実施する為、事前に50分ビデオを制作することにしました。当日は9クラス240人の実施となりました。
授業中はビデオ制作関係者が廊下から授業の様子を見せていただきました。

制作したビデオは下記でご覧いただけます。(実質33分)

共催:
左京区保護司会  左京区薬物乱用防止指導員協議会  左京薬剤師会  左京区BBS会
左京北地区更生保護女性会

夜8時からのZOOM会議の様子

経緯:
出前授業の内容については、関係団体と二回のZOOM会議を開催し決定いたしました。

ロールプレイの原稿制作をBBS会様に依頼。薬剤師会様には薬についての授業20分間を依頼しました。
ビデオ全体のシナリオ、ロールプレイのシナリオが確定したので、左京区保護司会更生保護サポートセンターでビデオの録画を行ないました。
洛北中学校OBの方がボランティアスタッフとしてビデオ撮影編集に参加してくださいました。

サポートセンターでの撮影: 2月18日午後6時〜9時

ビデオのハイライトは下記です。

洛北中学校の3年生の先生方には、ビデオを軸に真剣に出前授業に取り組んでいただきました。実際に授業を拝見し、教頭先生、学年主任の先生からご意見やご提案をいいただくことができました。京都少年鑑別所研修会で勉強させていただいた内容を含めまして、これからの薬物乱用防止出前授業に活かしていきたいと思っております。

文責:
犯罪予防部会長    椹木 稔
左京区保護司会副会長 上野 修

 

 

中学校で薬物乱用防止啓発授業

12月16日、昨年に引き続き岡崎中学校3年生対象に、薬物乱用防止啓発授業をさせていただきました。

まずは登校時のあいさつ運動です。京の社明くんと一緒に「大麻・薬物 絶対あきまへん!」の啓発と共に「あいさつ運動」を行いました。

 

時間的には30分ですが、「おはよう」のあいさつに「おはようございます」「うわぁ、なんか居てる」「可愛い」・・・手を振りながら生徒たちは元気に登校していました。

お昼ごはんのあと、5時間目3年生の授業は「薬物乱用防止啓発授業」です。同時刻2年生は「救急救命講習」の授業を4教室で分散して行われていました。

さて、啓発授業の前半は、保護司でもある薬剤師の藤田先生が、専門的な薬の全般の話から3つの質問へ。そのあと薬物乱用の話になり、友人との体験談を交え「良い薬」が間違った使用方法で「薬物」となってしまう恐ろしさを、パワーポイントを使って解りやすく講義。

続いては、昨年好評だったシミュレーション劇です。前回は「先輩から誘われたとき」「オーディション関係者から誘われたとき」「友達から誘われたとき」と3つのケースで「断り方」を考えるだけでしたが、今回は「断り方」+「アドバイス」と2方向でのシミュレーションにしました。
「全員を巻き込む授業」「全員で考える授業」としたいので、今回も先生方に配役をお願いしています。出演してくれる生徒以外は知らないので、先生が登場すると笑いの渦が起こりますが、一瞬で静まり返り、劇に見入ってくれる姿は真剣そのものです。

CASE 1

Aさんは試験前の学校帰りにB先輩と会い、疲れが取れて勉強も捗るサプリを誘われる…そこに通りかかったC先輩からも誘われ、二人の先輩から誘われてしまう。さてどうする?
(女子生徒、学年主任先生と中林保護司)

 

CASE 2

友達同士で勉強中。ちょっと休憩に、インターネットで買った勉強が捗るサプリを、友達だから一緒に試そうと誘われる…
ただ断るだけではなく、友達にどうアドバイスできるか?
(女子生徒と数学科先生)

 

CASE 3
幼馴染みの二人は、SNS上で、アイドルグループのファンサイトで不特定多数の人たちと繋がっています。衝撃の結末が待っていました…

大掛かりなシチュエーションです。体育館には66名の生徒と先生方・保護司・外部からの見学者を含めて約90人。全員がアイドルグループ「OJH66」のインターネット上のファンサイトで繋がっています。
 
女子学生が女友達だと思ってやりとりをしていた相手は、女性になりすましていた薬物の売人(男)でした。
言葉巧みに、個人情報を聞き出し、荷物を送ろうとします。
男子学生は、そのやりとりを見て怪しいと気付き、危ないとアドバイスをしますが、楽観的な女子学生は個人情報を送り、その結果、荷物が届いてしまいます…
その頃、売人は薬物犯罪特命課の刑事によって逮捕されます。数日後、女子学生のもとにまで捜査が及び、任意同行されるストーリー。
(男子生徒と久保保護司、堀内保護司、堀口保護司)

 人との繋がりは大切です。ツイッターやインスタグラム、SNSのダイレクトメッセージを使えば、繋がりはどんどん増えるので便利なツールです。しかし、誤った使い方をすると、いろいろな犯罪に巻き込まれるかもしれない、と言うことを理解して欲しかったので、体育館全体を仮想空間としました。

 時間に少々余裕があったので、見ている生徒にいきなりの「あなたならどうしますか?」とマイクを差し出し、そのあとはマイクリレーです。いろいろな意見の中に「今日の劇を見て、迫られたら断りきれないかもしれない」と言う声も聞かれました。しかしそれは、劇を見ながら「自分なら…」と真剣に薬物のことを考えてくれたのだと思います。また先生方からは「その時その時の対応に答えがないので、伝えることの難しさを体感した」と言うお話もお聞きしました。
 
啓発パンフレットやパワーポイントでの講義では「イザその時」のイメージは湧きにくいと思います。いろいろなシチュエーションを体験することで、もしその場所に居たとしたら…「もし自分だったらどうする?」を考え、共有してもらえる50分になったと思います。

文責 川見善孝

写真 村上ますみ・佐伯知彦・伊藤恵子・久保優佳・川見善孝

第24回京都市PTAフェスティバル

第71回社会を明るくする運動左京区作文コンテスト審査会

9月10日左京区更生保護サポートセンターで作文コンテスト審査会を開催いたしました。本年は、コロナ禍でまん延防止等重点措置・緊急事態宣言が長期間発出されておりましたが、左京区内の市立小学校21校の内18校、市立中学校8校の内8校の合計26校から、646作品(小学校488作品、中学校158作品)の応募をいただくことができました。

審査は三密を避ける意味で、午前は小学生の審査、午後は中学生の審査と二部制で行いました。

 

午前の部 小学生審査風景
午後の部 中学生審査風景

厳正な審査を経て、小学生の部は10作品、中学生の部は6作品を入賞とさせていただきました。本年度から、京都東ライオンズクラブ様も参加いただけるようになりました。
左京区BBS会の皆さんには、毎年作文集制作に関連して原稿のデジタル化に協力をいただいており、本年も快くお引き受けいただきました。
審査員の先生方には大変お世話になりました。お礼を申し上げます。

審査員:
京都少年鑑別所 内田 桂子所長 左京区社会福祉協議会 大藤 実事務局長
左京北地区更生保護女性会 渡邉 正子会長 左京区薬物乱用防止指導員協議会
上野 修会長 左京薬剤師会  阪部  彰浩会長 左京区BBS会   松岡  巧会長
左京区BBS会(東  沙希子 上嶋  美紀 糟谷  直美 出口 花 守田 美沙樹)
左京区保護司会より
鞍谷 秀郎会長 岩渕 信明 大西 繁雄  信ケ原 雅文
髙橋 秀紀  風間 隨成  橋本 周現  柴田 敬子  椹木 稔
(順不同敬称略)
京都府川端警察署・京都府下鴨警察署 署長賞につきましては
当日、両警察署まで複数の作品をお届けさせていただき、その中から

決定していただきました。

審査会は、審査員全員がコロナワクチン2回接種をされており、消毒、検温、
マスク着用と万全を期して実施しました。

第71回社会を明るくする運動左京区作文コンテスト表彰式は
12月18日(土)午後1時〜
左京区役所1階大会議室
で開催予定です。
文責:上野 修

第71回「社会を明るくする運動」5地区合同ミニ講演会

私たち保護司の更生保護活動の中で、メインとなるのは犯罪や非行をした人に対して立ち直りを助ける保護観察という責務です。
対して、当該被害者にはどのようなことが出来ているのか?被害者への支援施策は、法的支援制度が手厚く整えられたとしても、心に負った傷は簡単に癒されるものではありません。

私たち保護司はこれまで何度か被害者遺族の方の講演を聴講してきましたが、更生保護活動に活かすことができたかどうか、自問自答を繰り返しています。
今回、被害者家族の思いとその支援の現状を知ることにより、参加者を含めたディスカッションの中で、被害者支援の現状を識ることにより「更生保護活動のあり方を改めて考えてみる必要があるのではないか?」と考え企画しました。

さて、上記の企画趣旨にご賛同いただいた講師は、
冨名腰 由美子 氏(公益社団法人 京都犯罪被害者支援センター 理事・事務局長)です。
メイン会場の北白川小学校ふれあいサロンからご講演いただきました。

2会場をZOOMで結ぶことから、幾度となくテストを重ね当日を迎えたのですが、講演開始前に映像を流していたメインコンピューターが熱暴走なのか、強制シャットダウンされてしまい、ちょっとあたふたしましたが、定刻の午後2時30分開会されました。

まずご自身が京都犯罪被害者支援センターで被害者支援に携わった経緯を話され、続いて、被害者支援対策についてパワーポイントを使って、「ある日、突然、事件や事故に遭うと、まずどうしてよいかわからない、何が起こったのかわからず現実を受け止められない状態になる。再被害に遭うのではないかと不安にもなる。不眠、食欲の低下など、それまで普通にできていたことができなくなる。

被害者やご遺族にとって最も重要なことは、ひとりではないと思えること、必要な情報が適切に伝えられていること、心身の状態を専門家に診てもらえること、寄り添う人がいること、悲しみや怒りなどの気持ちが出せること。そして、被害者にとって必要な支援の手が、連携を取りながら差し伸べられることである。

京都犯罪被害者支援センターは、犯罪被害に遭って、人や社会に対する不信感から、孤立してしまいがちな被害者が、社会との絆を結びなおし、暮らしを取り戻すことができるように様々なお手伝いをする。しっかりと聴く、適切なところに繋ぐ、さらに寄り添うことを大切な役割と考える。
支援者として第一に心がけなければならないことは、二次被害を与えないことである。被害そのもので傷ついている被害者にそれ以上の傷つきを与えないために、研修はとても重要である。また他機関と連携する際に個人情報の取り扱いを慎重にすることも大切なことである。」とご講演された。

 

最後に「私たちは、いつ事件や事故に巻き込まれるかわからない。社会全体で犯罪被害者を支えることができる世の中であってほしい」と訴えられました。
また、ご遺族の声として「できる人が、できるときに、できることをしてください」というメッセージで締めくくられました。

続いて、サブ会場の元新洞小学校第2会議室に居られる、ゲストパネラーの中江 美則 氏(犯罪更生保護団体ルミナ代表)とのディスカッションです。

 

参加者から「中江氏は被害者家族(※1)でありながら、なぜ犯罪更生団体をやっておられるのですか?」という質問が挙がりました。
中江氏は「ある刑務所から講演依頼を受けて出向いたところ、私に敵意をむき出しにしていた受刑者がいました。ところが最後には私の話を聴いて涙を流してくれました。そのことがあって自分の体験話は犯罪者の更生に役立つのではないかと考えるようになったのです」と応えられました。

※1中江氏は亀岡交通事件の被害者遺族であり、ミニ集会でご講演いただいております。

平成30年8月25日 市原野会館 98名

北部地区社明活動報告


《深まる苦しみ ひろがる傷口》~亀岡交通事件の犠牲者遺族の想い~

 

令和 元 年6月15日 岡崎中学校 300名

浄楽・錦林東山地区ミニ集会を開催。


亀岡集団登校交通事件から7年…
 「深まる苦しみ ひろがる傷口」~ 亀岡交通事件の犠牲者遺族の想い ~

壮絶な経験をされたことをまったく感じさせない訥々した語り口調に、参加者は胸が詰まる思いだったのではないでしょうか。中江氏のパネラー参加によって講演が更に有意義なものとなったのは言うまでもありません。
講演会終了後、元新洞小学校3階にあるサポートセンターで、冨名腰先生と中江父子、講演会参加者の(公社)おうみ犯罪被害者センター事務局の太田牧子氏、(公社)三重犯罪被害者総合支援センター副理事長の仲律子氏を交えて座談会を行いました。

今日を振り返って、犯罪事件にはそれを起こした加害者がいます。加害者には「更生保護法」に基づき、あらゆる方面から支援の手が差し伸べられています。しかし、その対極には被害者とそのご家族が居られます。被害者支援に携わる方々とは立ち位置は異なりますが、被害者やそのご家族の心情に少しでも思いを寄せることのできる保護司として、更生支援に取り組んでいきたいと思います。

文責 堀内寛昭・川見善孝

写真 村上ますみ・中林五月・久保優佳・川見善孝