日時:令和4年7月29日 19:00~20:30
会場:元新洞小学校 1階第2会議室
演題:「身近に存在するジェンダー」
講師:寺町晋哉氏(宮崎公立大学准教授)
【講師プロフィール】
宮崎公立大学准教授 専門はジェンダーと教育
<著書>
・『〈教師の人生〉と向き合うジェンダー教育実践』晃洋書房
・「性別」があふれる学校は変われるのか
松岡亮二編著『教育論の新常識』中公新書ラクレ(分担執筆)
・「性別」で子どもの可能性を制限しないために
中村高康・松岡亮二編著『現場で使える教育社会学』ミネルヴァ書房(分担執筆)
新洞・川東地域を主催として4地域合同のミニ集会を行いました。
当日はZOOMを使用し、講師の寺町氏には宮崎よりリモートでご講演いただきました。会場参加者の手指消毒・検温はもちろんのこと、主催者他の挨拶は飛散防止透明シートを張った席より行うなど、感染防止対策を徹底して行いました。事前にZOOM通信テストを念入りに行ったにもかかわらず、講演会開始直後に機器トラブルでしばらくZOOMが繋がらないアクシデントもありましたが、講師の寺町氏と会場参加者のご協力で再開できました。
【講演内容】
ジェンダーとは?
ジェンダーの定義:「私たちは、さまざまな実践を通して、人間を女か男か(または、そのどちらでもないか)に〈分類〉している。ジェンダーとは、そうした〈分類〉する実践を支える社会的なルール(規範)のことである」
ジェンダーの定義についての説明のあと、日常には様々なジェンダー・バイアス(ジェンダーに基づく偏見や、その結果として性別構成比が偏ること)が潜んでいることを解説いただきました。
例えば学校に潜むジェンダー・バイアスとしては、「男子は理系、女子は文系」という認識や、「体力に男女差はある」という認識があります。これに対して様々な調査結果のグラフで、理数系科目の学力は男女差がないか、あってもごくわずかな差であることや、集団の平均値と最高値で「体力」に男女差はあるが、多くの男女は体力テストの結果が重なっていることを示していただきました。
また、学校の様々な場面やものやことが「自然」を装いながら「男女で区別」されています。整列する際に男女別で並んだり、「君」や「さん」といった教師からの呼称など、一つ一つはささいなことですが、常にありとあらゆる場面で「男女を区別」し続けることは、「男女は異なるものを持ち、異なる扱いをうける」ことが「自然」であることを児童生徒が無意識のうちに学んでしまいます。性的マイノリティ(「LGBT」)についても、社会の想定する「普通」からはじき出されてしまう性のあり方を生きることで、様々な困難を抱えていることを知りました。
ではどうすればよいのか。身近なジェンダーに対しては、少し立ち止まって「性別」情報やジェンダーに注意してみることや、「失敗」は仕方ないので、その都度反省していくこと、性的マイノリティに対しては、ジェンダーや性の「普通」に基づいた言動や運営を行わないこと、見直すこと、当事者から相談を受けた場合は聴く・知る・つなげる、避けるべきことは、決めつけない、広めない(共有しない)こと等を教えていただきました。
難しいテーマではありましたが、とても分かりやすいお話で、会場の参加者も共感できる内容でした。活発に質疑もあり、それに対しても丁寧にご回答いただきました。
主催:新洞・川東
共催:岡崎、浄楽・錦林東山、吉田・聖護院
後援:新洞連合会、新洞社会福祉協議会、新洞民生児童委員協議会、
新洞少年補導委員会、新洞女性会
【参加保護司】12名
信ケ原雅文 中林五月 中井京子 橋本周現 川見善孝 繁田彰 村上ますみ 堀内寛昭 久保優佳
澤田清人 市川悦子 鈴木美智子
【保護司以外の参加者】17名
新洞消防分団1名・新洞女性会11名・新洞民生児童委員協議会2名
左京南地区更生保護女性会1名・新洞共同募金会1名・新洞社会福祉協議会1名
参加者総計29名
文責:鈴木美智子